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『ハリー・ポッター』に続くフランスで大人気の長編ファンタジー

『タラ・ダンカン』ソフィー・オドゥワン=マミコニアン  山本知子・加藤かおり:訳

高 尚我さん(大阪・建国高等学校2年)

『タラ・ダンカン』(メディアファクトリー/KADOKAWA)
『タラ・ダンカン』(メディアファクトリー/KADOKAWA)

有名なファンタジー小説に、『指輪物語』『ナルニア国物語』『ハリー・ポッター』などがありますね。紹介する本は、ヨーロッパでは『ハリー・ポッター』に続いて有名な『タラ・ダンカン』という本です。

 

この本の作者はフランス人のソフィー・オドゥワン=マミコニアンという人です。ソフィーさんはなんとフランスのアルメニア王朝時代の王国の子孫だそうです。代々作家の家庭であって、15人目の作家になるそうです。12歳の時の入院中に長編物語をいろいろな人に話して聞かせたのが作家になったきっかけと書いてありました。

 

現在は2人の娘もいて、長女ダイアンが産まれた時にこの本を書きました。あまりにもソフィーが別世界のことについて詳しく知っていることから、夫や2人の娘はもしかしたらママは魔術師のひとりではないかという疑問を持ったそうです。この本には、そんな普通のファンタジーでは書かれていない、すごく詳しいことまで書かれています。

 

主人公はタラ・ダンカンという女の子。タラは祖母と大きな屋敷で一緒に暮らしていましたが、12歳の時にひょんなことから自分は魔術師だと知ります。そして眠っていた力が目覚め、闇の一族サングラーヴに狙われるという話です。サングラーヴと対立する魔術師たちによって別世界にワープさせられるタラですが、そこでタラは自分とは誰なのか、なぜ狙われているのか、自分は一体誰の子なのか、という疑問を持ちながら成長していきます。

 

例えば6巻では、タラがお母さんを救う話がでてきます。そしてタラの最大の敵、マジスターも出てきます。マジスターは冷徹で残酷な人となっていますが、この本の最後でタラの母セレナと一緒にお茶をします。なぜお茶をしているかというと、マジスターはセレナにずっと片想いをしていたという設定になっているからです。こういうピュアな一面が書かれている本でもあります。

 

高 尚我さん
高 尚我さん

この本はユーモアも欠かさずに書いてあります。この巻に出てくるドラゴンたちが隠し持っている「悪魔の宝」。その「悪魔の宝」はなんと「悪魔のパンツ」だとという面白い切り替えが出てきます。こういう話はシリアスなシーンで出てくるので、そのギャップがたまらなく面白いのです。

 

12巻上下と長編になっていますが、飽きることがない本だと思います。タラが可愛く描かれている日本特別のイラストも魅力です。

 

 

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<全国高等学校ビブリオバトル2015 関西大会の発表より>

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高さんmini interview

好きなのは

ジャンルは、SF、恋愛もの、家族がテーマの本。作家は、三浦しをんさん、百田尚樹さん、朝井リョウさん。

 


小学生のころ

当時気に入っていた本は、『世界の歴史人物事典』(集英社・学習漫画) 、『世界の発明・発見事典』(集英社・学習漫画) 。物語が好きで、「魔法屋ポプル』シリーズ(堀口勇太/ポプラポケット文庫)もよく読んでいました。

 


2015印象本

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これから

『君の膵臓を食べたい』、せつない恋愛もの、青春ものを読みたいです。