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挑戦し続ける。単独無酸素登頂に挑み続ける登山家の言葉

『一歩を越える勇気』栗城史多

豊田雄大くん(三重県立紀南高等学校)

『一歩を越える勇気』(サンマーク出版)
『一歩を越える勇気』(サンマーク出版)

「一度失敗したとしてもそこで終わりではない。あきらめずに挑戦し続ける限り終わりではない」。

 

この言葉は、登山家・栗城史多さんが、エベレスト挑戦後に語った言葉です。とても印象に残っている言葉です。これまで僕は挑戦しなかったりやめたりすることもあったのですが、それを挑戦しようという気持ちにさせてくれた言葉です。

 

栗城さんは、高校時代は登山部に所属し、知識や経験を積み、卒業後に6000メートル級の山に挑戦します。しかしその挑戦というのが、単独無酸素登頂というものでした。5000メートル級、6000メートル級となってくると、酸素の濃度というのが地上の3分の1くらいになります。息がしづらくなったり、高山病が起こったりするので、酸素ボンベを背中に背負って登ります。けれども、そこを敢えて無酸素登頂に、しかも単独で挑戦するのです。

 

それに対して親も周りの人たちも反対します。それでも押し切り、挑戦し、そして見事に登頂を果たします。その後、約3年間で、六大陸の最高峰の山々に単独無酸素登頂で立ち向かっていきます。8000メートル級の山があったり、4000メートル級の低い山もあったりするのですが、みんな富士山の3776メートルよりは高い。そういうところです。

 

また、8000メートル級の山からは普通に下山するのではなく、スキーで降りてきたりします。とてもユニークな発想だと思いました。

 

豊田雄大くん
豊田雄大くん

栗城さんは、登山することにあたって、テーマを一つ持っています。それは「冒険を共有する」ということです。栗城さんは一人で行くので荷物をなるべく少なくしたいのですが、実況をネット配信するために4、5キロもある機材を背負って登ります。その時々の状況や景色を世界中の人に知ってもらうということをやっています。

 

この本は登山日記だけが書かれているのではありません。例えば、当たり前の生活に感謝するということが書かれています。地上では水道の蛇口をひねれば水が出ます。けれども山の上では、水を飲むだけでも氷を30分以上溶かさなければなりません。地上ではスイッチを押せば電気はつきますが、登山中は簡単につけることはできません。そこから、当たり前の生活に感謝するという言葉が生まれたのです。

 

 

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<全国高等学校ビブリオバトル2015 三重大会の発表より>

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今後読みたい本

より大人志向のミステリー系の本を読んでいきたいと思います。