学ぶことが楽しくなる! サボるための言い訳よ、さようなら
『人生を面白くする 本物の教養』出口治明
富原千里さん(大阪学芸中等教育学校1年)

この本の帯には、「意見が決められないのは『考え不足』が原因」や「『いまさらもう遅い』はサボるための言い訳」という言葉が書かれていました。私は意見を決めることが苦手で、その上いまさらもう遅いと言って物事をあきめる性格なので、まるで自分のことだと思いこの本を買いました。
書名にある「教養」。私はこの本を読むまでは、教養とは様々な知識や情報をどれだけ持っているかだと思っていました。けれどもこの本には決してそうではないと書かれていて、出口さんは、教養とは人生におけるワクワクすることや楽しいこと、面白いことを増やすためのツールだと言います。
私は、普段、大阪都構想やTPP問題などについて「あなたは賛成? 反対?」と聞かれると、「どちらとも言えない」という答えが一番多かったのです。新聞やテレビの報道で、賛成派の意見を聞けば一理あると思い、反対派の意見を聞けばそれはもっともだと思っていました。けれども、この本を読んでわかりました。どちらとも言えないと答えた私たちは、一言で言うと勉強不足だったのです。意見を決められないという時、私たちはその問題についてどれだけ真剣に考えているでしょうか。そのテーマに関する本を一冊でも読んでいるでしょうか。たいして考えていないのに、決められないという一言で片づけていませんか。だから私はこの本を読んで、これからは手抜きをせずしっかり勉強しようと思いました。
次に「『いまさらもう遅い』はサボるための言い訳」についてです。私は英語のリスニングが得意ではありません。小さい時から海外の英語圏に住んでいて、英語のリスニングをできていたらと考えて、「いまさらもう遅い」と言い、そこで終わってしまいます。しかしこの本を読んでから、そんなことを考える暇があれば今夜からNHKのラジオ放送や海外ドラマを見て、生きた英語の勉強をしたら良いだけのことでした。出口さんは言います。「いまさらもう遅い」と言って努力を放棄する人は、サボるための理由を探しているだけです。

人は何歳からでも学ぶことができます。学ぶのに年齢制限はなく、決して遅すぎるということはありません。私はこの本を読んで学ぶことの楽しさをしみじみと感じました。そして希望に満ち溢れました。日本中の人がこの本を手に取れば、これからの日本はもっと良くなると思います。
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<全国高等学校ビブリオバトル2015 大阪大会の発表より>
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富原さんmini interview
好きなジャンル・作家
エッセーや随筆、哲学の本が好きです。小説家では瀬尾まいこさんが好きです。
きっかけになった本
小さい頃、絵本が大好きで毎日何十冊も読んでいて、小学生になってから小説を読むようになり本が好きになりました。
これから読みたい本
田中角栄さんについての政治の本を読んでから、もっと他の政治の本も読みたいと思いました。