宮崎駿やスピルバーグが尊敬する円谷英二ってどんな人?
『円谷英二の言葉 ‐ゴジラとウルトラマンを作った男の173の金言』右田昌万
藤原一輝くん(三重高等学校)

ウルトラマンやゴジラは、今でも子供から大人まで愛されているヒーローや怪獣ですが、そのウルトラマンやゴジラをこの世に送り出したのが、円谷英二という人です。この本は円谷英二さんが撮影現場などで残した言葉をエピソードと共に綴った本です。
円谷英二さんのすごいところ、それは普通の人では表現できないような映像を撮るということです。例えば、1941年の『ハワイマレー沖海戦』という映画で島に爆弾が落とされているシーン。普通に島に落とされているように見えますが、実はこれミニチュアです。それから、表紙のゴジラ。どう見ても着ぐるみですよね。この着ぐるみを使った撮影方法は、今では戦隊ものでも仮面ライダーでも普通に使っていますが、世界で初めて実践したのが円谷英二さんです。
今の時代、難しい映像、例えば車をどんどん破壊するような映像は全部CGで撮っています。でも60年前にCGはありませんでした。円谷英二さんはそんななかで試行錯誤して、本物に近づくような、本当に車を爆発させたような映像を撮ったりしました。ゴジラの映像もすごくて、本当にゴジラが来たのかなっていうくらいのものです。
「まずはできるって言う。方法はそれから」
「ない物は作ればいい」
これは撮影現場で言った言葉です。僕たちは、難しい壁にぶち当たったら「できない」って言って諦めてしまったり、ない物があったらすぐに買いに行ってしまったりします。でもこの人は、そんなんじゃダメだ、ない物があったら作るんだ、まずは「できる」って言うんだと、撮影現場でみんなに言ったわけです。

一番驚いたのは、スタジオジブリの宮崎駿や、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ジョーズ』などのスティーブン・スピルバーグ監督は、円谷英二さんに影響を受けて、作品を作ったということです。ということは、円谷英二さんがいなければ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『風立ちぬ』などの名作は生まれなかった。円谷英二さんがいろいろな映画の元となっているみたいに感じます。
ゴジラが初めて登場した場所は、この三重県鳥羽市の石鏡町という所です。三重県ってすごい所でしょ。僕は今年の夏休みに石鏡町に行き、「ここからゴジラが出てきたのかー」って言いながら、友達とずっと山の方を見ていました。よかったですよ。
[出版社のサイトへ]
<全国高等学校ビブリオバトル2015 三重大会の発表より>
こちらも 藤原くんおすすめ

『尾崎豊 覚え書き』
須藤晃(小学館文庫)
尾崎豊をデビュー当時から支えている音楽プロデューサーの須藤さんから見た尾崎の姿をつづった本。尾崎豊が好きでこの本を読みましたが、違う尾崎豊を知ってより尾崎が好きになりました。
[出版社のサイトへ]
藤原くんmini interview
好き
特撮、ロックが大好きなのでそれに関する本が好きです。幼いころからウルトラマンや仮面ライダーなどの特撮が大好きで、小学3年生のとき、そのウルトラマンを作った円谷英二に興味を持ち様々な本を読んできました。
影響本
ビブリオバトルでも紹介した『円谷英二の言葉』です。この本を読んで、今、何不自由なく生きている自分が何なのかを見つめ直せました。
2015印象に残った映画
映画『ビリギャル』
一度落ち込んでも立ち直ることができた主人公がとても印象的でした。
これから
法律に関する本が読みたい。