トビタテ生のヤリタイコト日記

~こんな本が僕たちの背中を押してくれた

下山明彦くん東京大学文科I類2年)

第2回 今この瞬間に一生懸命打ち込みたいことを、全力で~

高校時代から変わらなかったその姿勢。トビタテ留学JAPANを起業への第一歩に

 

こんにちは。今回は私と同じトビタテ!留学JAPANの4期生で、今年度の留学を目指す中央大学商学部の2年生の大塚悠記さんにお話を聞いてきました。

 

大塚悠記さん
大塚悠記さん

大塚悠記さんは、トビタテ留学JAPANの4期生として、アメリカで抹茶カフェの起業を目指した活動を行います。その一つが、学生時代に抹茶に魅了されたアメリカの若手起業家がニューヨークで経営している「Matcha Bar」でのインターンシップです。この企業は海外への進出にも積極的で、去年の夏に日本に出店という形で「逆輸入」されたほど人気を博しています。そしてインターンだけでなく、大塚さんはカリフォルニア州立大学モントレーベイ校では、経営関連科目を履修し、アメリカでの起業戦略を学ぶ予定です。

 

『渋谷ではたらく社長の告白  〈新装版〉』 藤田晋(幻冬舎文庫)
『渋谷ではたらく社長の告白 〈新装版〉』 藤田晋(幻冬舎文庫)

「周囲にここまで起業するために本気で取り組んでいる人は、そういない」。

 

こう言い切れる彼は、何によってモチベーションを持続させているのでしょうか。そのヒントは、サイバーエージェントの経営者である藤田晋氏が実体験をもとにして書いた『渋谷ではたらく社長の告白  〈新装版〉』(幻冬舎文庫)にありました。華々しさが先行する起業も、実際は過酷なもの。著者である藤田氏の成功と挫折を描写したこの本は、大塚さんに起業の光と闇をありありと実感させました。そしてその上でもなお、その強い光は、起業を大塚さんの自身の夢へと昇華させてくれたといいます。

 

そんな大塚さんも、起業を志し始めたのは大学に入ってから。この本との出会いと、実際に起業した叔父の話がきっかけで、意外にも、「高校生の頃は歌手になりたかった」そうです。普通なら諦めてしまいそうな夢にもひたむきに頑張って、バイトで貯めたお金でスクールに通い、サッカー部の顧問とも相談しながら部活とも両立したとか。

 

そんな大塚さんがなぜ抹茶カフェにひかれたかというきっかけは…

 

幼稚園の頃から比較的声が高く、顔立ちからもよく「女の子みたいだね!」と友達やその親から言われていました。相手はもちろん悪気はなかったのですが、僕はその言葉がとにかく辛かったんです。男としての自分を否定されているみたいで。それを言われる度、家の玄関でわめいていました(笑)。

  

そこから、周りから「かっこいいね!」「すごいね!」と言われる男になりたいと意識するようになりました。そんな時、友達にたまたま誘われたのがサッカーでした。とにかく自分を変えたくて、何でもいいから挑戦したいと母親に頼みました。その結果、中学では都大会出場を果たすキャプテンにまで上り詰めることができました。

 

それでもまだ、もっと自分の目標に挑戦して、自分を成長させたいという気持ちは心の中で燃え盛っていました。そこで歌手を目指そうと思ったんです。

 

実は、子どもの頃から音楽番組の「ミュージックステーション」は欠かさず見ていて、ずっと歌手に憧れていたんです。サッカーをやりながらも、その気持ちがあふれたのが高校生になってからのことでした。ある日友達とカラオケボックスで歌っている時、途中で歌うのをやめてボーカルスクールに電話している自分がいました。高校卒業時にはやめちゃったのですが(笑)。

 

こんな感じで、自分の知らない世界だろうがなんだろうが、やりたいと思ったことはとにかく挑戦して、かっこいい、すごい男に自分を成長させたいっていうブレない軸が、私の中に確立していました。

 

もう一つ、僕には、マッサージ店、ポップコーン店、バイクレッカーの3つの店を経営する叔父がいます。自分の全く知らない世界の業界を楽しそうに話す叔父を見て、純粋に「すごい、この人かっこいい!!」と思いました。

 

これをきっかけに、起業がしたいと強く思うようになりました。そこで同じ英語サークルの友達に、外国に何か売ってみないかと相談したところ、抹茶というアイデアがでできたんです。

 

それを聞いた途端、「新しい!面白そう!!」って思いました。実は、高校の部活動体験の茶道部で、一回だけ抹茶を飲んだことがあったんです。その時、歌手の夢やサッカーを続けたいことなどに悩んで焦っていた僕に、落ち着いて考えさせてくれる時間を、抹茶が与えてくれたのを覚えています。

 

だから、悩みをかかえた人、今が辛くて仕方がない人たちに、それを少しでも楽にできる空間や時間を抹茶で提供したいと思いついたのです。一杯の抹茶で純粋に人を癒すことができたらすごい!!って。そこから、日本の抹茶を通じて、抹茶をあまり知らない海外の方に、彼らを癒すことのできる抹茶カフェを起業したい、という考えに行き着きました。 

「その時々に本気になれるものに、しっかり本気で取り組む」。歌手になる夢と、サッカーと、アメリカで抹茶カフェを起業するということとは一見関係なさそうですが、高校時代からの夢に向かって打ち込む姿勢は、大塚さんの「今」にしっかりと生きていることを感じました。

大塚悠記さんのオススメ

渋谷ではたらく社長の告白  〈新装版〉』

藤田晋(幻冬舎文庫)

 

この本には、自分の夢を叶えるためなら家族でも親友でも裏切る、ある1人の起業家の泥臭いストーリーが書かれています。高校の時ミュージシャンを諦め、起業家を目指すも、起業するまでに彼の複雑な心情が赤裸々に語られています。夢を叶えようとしているだけなのに、様々な荒波が彼を襲い、人間としてのどん底に突き落とされます。私も、同じような夢を抱いており、それに向かっているプロセスの中で抱く気持ち、死にたくなるような思いなど共感できることがとても多い作品でした。しかし、それをどう乗り越え、何をしたら夢に負けないか、それを伝えてくれる本です。皆さんも一つは誰にも言えない自分だけの野望があると思います。それでも、中々うまく進めない、一歩前に進めない、そんな方々にお勧めです。

[出版社のサイトへ]