トビタテ生のヤリタイコト日記
~こんな本が僕たちの背中を押してくれた
下山明彦くん(東京大学文科I類2年)
第7回 トビタテに合格するために その2
いちばん大事なのは募集要項を読むこと

「ヤリタイコト」の見つめ方について触れた前回。今回は、エントリーシート対策など、より具体的に書いてみましょう。ただ、最初に少し。僕はこのやり方でパスしましたけど、オールマイティーかどうかはわかりません。みなさん流にアレンジしてみてくださいね。それから、口幅ったいようですが、就活や他の「戦い」にも通用する戦術だと思っています。
さて最も大事なことは何か。それは「募集要項」を読むことです。「なんだそんなことか」と拍子抜けされるかもしれません。それでも僕は、募集要項を熟読すべきだと伝えます。なぜなら、ここに全て書いてあるからです。
求められる人材、申請要件、審査の基本方針、そして具体的な審査の観点…。要項に書いてあるこれらに全て対応できれば、必ず道は開けるはずですよね。下のURLは募集要項のページです。
◆トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム 募集要項(文部科学省)
https://mext.s3.amazonaws.com/2015/12/4656e130d95af4b48f593cf52858e96f.pdf
では早速、それぞれを見ていきましょう。
例えば、審査の基本方針。その問いには「産業界を中心に社会で求められる人材」「世界で、又は世界を視野に入れて活躍できる人材」とあります。ここでまず「産業界ってなんだろう?」「世界を視野に入れて活躍することってなんだろう?」と問いを深めてください。そしてもし、今の留学計画書にその要素が盛り込まれていなかったら、そこはやり直しです。
迎合するのでなく、自己実現のために「求められる人材」を突き詰める
続いて、具体的な審査の観点です。求める人材、学修活動計画、学修活動の内容(計画の妥当性)、学修活動の発展性、留学計画の実現可能性。これらの4つの観点について、何が加点対象となるのか何が重視されるのかまで、詳しく書いてありますよね。こういうことを明確に意識しながら、書類で自分を最大限にPRしてください。
これは2次選抜においても重要です。書類提出後、「ヤリタイコト」がぶれてくるかもしれません。そんな時は募集要項の再読をお勧めします。トビタテがどのような人を求めているのか、どのような人を応援したいと思っているのか、繰り返し繰り返し確認することを忘れないでください。
もちろん受かるために自分を偽るのはNG。ただ、相手の用意した舞台で、相手に合わせたルールで踊るのは、自身を鍛えることにもなるのではないでしょうか。そしてそこに自身の熱と思いを盛り込み、いつの間にかこちらのペースに持ち込むのです。それは迎合ではなく、自己実現の第一歩。攻めの姿勢で行きましょう!
今回のおススメ本

『何者』
朝井リョウ(新潮文庫刊)
ほとんどが体験する就職活動。アピールし、張り合い、選ばれたり落とされたりする日々は、自分の居場所を問い直す時期でもあります。葛藤する主人公たちは、僕たちの心の中をありありと描き出す鏡のようです。
[出版社のサイトへ]
<前回の記事を読む>
第1回 「勇ましい、高尚なる生涯こそが後世への最大遺物である」
~内村鑑三の言葉に後押しされて、留学を決意
~高校時代から変わらなかったその姿勢。トビタテ留学JAPANを起業への第一歩に
選挙の日は、黄色い服で出歩くな ~フィリピン大統領選
~本気のヤリタイコトを、社会総がかりで応援する「トビタテ留学JAPAN日本代表プログラム」
第5回 一過性の「援助」ではなく、自立に結び付くコミュニティづくりを目指してフィリピンで奮闘 ~トビタテ生の挑戦 その2 大野雛子さん(東洋大学文学部3年)
~「ヤリタイコト」をとことん考え、わかってもらうためにすべきこと!