トビタテ生のヤリタイコト日記
~こんな本が僕たちの背中を押してくれた
下山明彦くん(東京大学文科I類2年)
第13回 フィリピン人の先生からスカイプで英会話を学ぶ ~フィリピンも日本もHappyになるビジネスの創業者に聞く

フィリピンに限らず、発展途上国で事業を立ち上げるというと、現地の人を安い労働力として使う製造業のイメージが強いですが、それでは現地の人をいわば一方的に利用することにしかなりません。
そんな発展途上国とのビジネスに一石を投じたのが株式会社レアジョブ(※)です。
英語が公用語で、ビジネス英語レベルは世界一というフィリピンのレベルの高さを生かして、フィリピン人の講師とスカイプでマンツーマンの英語のレッスンを行う、という「オンライン英会話」のトップ企業です。PCやスマホ、タブレットで、早朝から深夜まで自由な時間帯にレッスンを受けることができるという利便性の高さに加えて、受講料も通学制スクールの20分の1程度です。
シンプルですが、確かにニーズを捉えているビジネスを掲げたレアジョブは、今や会員数40万人。東証マザーズに上場するまでになっています。今回はレアジョブの本社を訪問し、会長の加藤智久さんにお話を伺いました。
自分の中の常識に世界を近づけるアクションのための行動力を持つこと
「僕にとって起業とは、自分の中の常識に世界を近づけること。そして、フィリピン人の英語力とホスピタリティを考えると、英語の先生としてぴったりなはずだ」
そう考えた加藤さんは10年ほど前、フィリピン大学の掲示板にパートナー募集の_紙を貼り、仲間を募りました。
もちろん最初から順風満帆だったわけではありません。設立当初は平屋建ての民家をオフィスとして借り、冷房もない中でひたすらコンピューターに向かい合う日々が続きました。そんな中でも諦めずにフィリピン人の教師の募集や日本での知名度向上に取り組んだ結果、今ではオフィスビルの1フロアを借り上げることになったそうです。今ではスタッフも増え、スペースが足りないほどだとか。
世の中では当たり前とされているけれども、真実ではないこと。それを見抜く力ももちろん大切ですが、より大切なのは見抜いた後にアクションを起こす行動力なのではないでしょうか。他の人が気づいていない事実に目をつけ行動することは大きな勇気を必要としますし、0から何かを始めるための途方もない労力も必要とします。しかしだからこそ、、世界を大きく変えるきっかけになる。加藤さんの姿勢は、その影響力の大きさと、初志貫徹した先にゴールがある可能性を教えてくれました。
今回のおススメ本

『黄色い目の魚』
佐藤多佳子(新潮文庫刊)
誰にも自分を理解してもらえていないような、もどかしい感覚、多感な時期にしか味わえない感覚を、くっきりと描いたのがこの作品。イラストレーターの叔父を持った絵を見るのが好きな女の子と、父親の影響で絵が上手な寡黙な男の子。2人の出会いとその後をじっくりと時間をかけて表現するこの本は、青春小説の代表作の一つです。
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