トビタテ生のヤリタイコト日記

~こんな本が僕たちの背中を押してくれた

下山明彦くん東京大学文科I類2年)

第19回 ヴィパッサナー瞑想(1)~インドで10日の瞑想体験

インドで10日間喋らず、書かず、瞑想し続ける…。そんな経験をしてきました。ヴィパッサナー瞑想と呼ばれる、仏教の瞑想修行法の一種です。インドの地での修行とは、なかなかのミッションなのではないでしょうか。今回はそれを書いてみたいと思います。

 

 

そもそもヴィパッサナー瞑想とは何なのかを説明します。ヴィパッサナーとは、「南伝上座部仏教」と呼ばれる仏教の一派が使用する経典での言語のパーリ語で、「分けて観る」ことを意味します。では、何を分けて観るのか、というと身体と精神と言われています。身体の感覚を鋭敏に感じることができるようになることによって、心の有り様を見つめる。そして最終的に解脱を目指そうという教えなのです。

 

こう書くと、10日間の瞑想というイメージと相まって、何か危険な宗教を連想してしまうかもしれませんが、実際はそんなことはありません。今回僕が訪れたコルカタの瞑想センターも、半数くらいの人は初参加で、コース終了後に何かを強制されるようなことも全くありませんでした。インド各地に瞑想センターがあって、その中でも最も有名なブッダガヤの瞑想センターは予約が殺到し、数ヶ月待ちになることもあるそうです。

瞑想の指導者の皆さんは、体験者がその後出家して修行し続けるというより、生活の一部に瞑想を取り入れることを望んでいるようです。実際に、欧米でも禅(ZEN)の概念を著名な経営者が取り上げたり、Googleが社内で瞑想のメソッドを紹介するワークショップを開催したりと、心を落ち着ける様々な営みに目を向けることが多くなってきています。このような流れも、瞑想を生活の中に取り入れることが少しずつ浸透している証左なのではないでしょうか。

 

カトリック系の中高一貫の男子校に通っていた僕も、瞑想に触れる機会は数多くありました。授業の初めと終わりの一分間に目を瞑り心を整える「瞑黙」という習慣が母校にはあったからです。それが影響したのか、ヴィパッサナー瞑想に参加することにもそう抵抗はありませんでした。もちろん、10日間誰とも連絡を取れず、メモも残せない生活に一抹の不安はありましたが。

 

実際どのような10日間だったのか。それは次回以降で詳しく書いていきます。「インドで修行なんて一生しないよ」と思われるでしょう。もちろんそれはそうだろうと思います(笑)。でも、日頃の暮らしに活かせるかもしれないことも書いていく予定です。お楽しみに!

 

今回のおススメ本

『帰ってきたヒトラー』ティムール・ヴェルメシュ 森内薫:訳(河出文庫)

ヒトラーがもし現代に突然現れたら、人々は何を思い、どのような反応を示すのか。そして、ヒトラーは現代に何を思うのか。彼の思考、論理展開を真似た独特のモノローグや彼を取り巻く人々の反応の変化は圧巻です。

発売当初からドイツを中心に物議を醸し続けたこの本。なぜそれほど議論が巻き起こるのか。その感覚がわかりにくい日本人だからこそ、あの頃の時代に何が起き、現代にどのような影響を及ぼしたのかを捉え直すために、手に取る価値があるのかもしれません。

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