高校ビブリオバトル2016

まるごと受け入れてくれる人がいれば、乗り越えられる

『向日葵のかっちゃん』西川司

鈴木卓真くん(栃木県・矢板中央高校2年)

『向日葵のかっちゃん』(講談社文庫)
『向日葵のかっちゃん』(講談社文庫)

題名の「かっちゃん」というのは著者の西川司さん。西川さんは、知的障害を持っています。しかし、ある先生と出会って本を書けるようにまでなったのです。この本は知的障害の子ども、かっちゃんが成長するまでのストーリーです。

 

僕には小学生の頃、知的障害がある友達がいました。その子は、前日に1+1をやったのに、次の日には2と答えられません。前日に、あいうえお、と書いたのに、次の日には書けないのです。私はこの友達とどう接していこうかと思った時、この本に出会いました。

 

かっちゃんは、北海道で生まれました。小学1年生のときに、当時の担任の先生から、「かっちゃん、ひまわり学級に行って」と言われたのです。ひまわり学級というのは、特別支援学級のことです。それを言われた子どもはどう思うのでしょうか。かっちゃんは、「やったー、みんなより簡単なクラスに入れるんだ」と思ったそうです。しかし、お母さんは、泣き出したそうです。親は、子どもが特別支援学級に入るとなった時、どのような気持ちになるでしょうか。辛いかもしれません。子どもをどう成長させようか迷うでしょう。

 

かっちゃんは2年生のときに転校し、そこで森田先生という先生に出会います。森田先生は何でも知っていて運動もできる、頭のいい先生です。ひらがなも書けない、漢字も読めない、計算もできない、そんなかっちゃんを何とかしてあげたいと思った森田先生は、かっちゃんを変えました。奇跡を起こしました。6年生になったとき、卒業式で答辞を読みました。ひらがなも、漢字も、計算もできなかったかっちゃんが、答辞を読んだのです。

 

鈴木卓真くん
鈴木卓真くん

そのかっちゃんは今の西川司さんです。西川さんはこう言います。「人は、まるごと受け入れてくれる人がいれば、大抵の困難は乗り越えることができる」。かっちゃんは知的障害を乗り越えたのです。障害は、克服することはできるのです。こういう友達ができたら、接し方に関心を持ってもらいたいです。

 

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<全国高等学校ビブリオバトル2016 全国大会の発表より>

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