高校ビブリオバトル2016
高校生活に悩むあなたへ。未来の自分からのアドバイス
『フライト・ゲーム 高校生が自分と向き合うための18の方法』松葉健司
関友介くん(滋賀県立水口高校3年)

高校生活で壁にぶつかった時、乗り越えるためのアドバイスがこの本にはたくさん書かれています。表紙とタイトルの意味は見ただけではちょっとわかりにくいのですが、本の帯がとても魅力的です。「『過去』と『他人』は変えられない。変えられるのは『未来』と『自分』」という帯の言葉は、ある心理学者が実際に語った言葉だそうです。僕はこれに感動しました。
この小説の主人公は、勉強のできる女の子と野球の上手な男の子の、双子の男女2人です。2人は違った高校に進学して、勉強や部活などでそれぞれの壁にぶち当たります。そんなとき、1通のメールが届くのです。
それは未来の自分からのメールでした。未来の自分ということは、今の自分がこれから出会う壁の乗り越え方を知っています。だから何でも相談できる良い相談相手になってくれます。未来の自分に「こういう問題があってどうしよう」と相談して、アドバイスをもらいながら成長していくお話です。
僕はこの本を高校3年の秋に読みましたが、もっと早く出会いたかったです。この本には勉強・部活・将来・友達・恋愛という5つの壁の乗り越え方が書いてあります。でも僕の高校生活はあと少しで終わってしまいます。今から急いで恋愛してもしょうがない。すでに大学の願書も出して成績も出ているので、将来の志望校も変えられません。だからこそ、これから高校生活を送る後輩たちにこの本の魅力を伝えたいと思っています。
だからと言って、高校生だけに向けた本というわけではありません。大人でも応用の効く内容がたくさん詰まっています。例えば、僕が一番好きな、恋と愛の違いについて書かれた箇所です。恋と愛の漢字を比べると、恋は下に心があるから下心で、愛は真ん中に心があるから真心。つまり恋愛は「してくれたからしてあげる」だけですが、愛はそうではなく「してあげたいからしてあげる」ものだと書かれています。これは大人でもうなずいてしまうのではないでしょうか。サブタイトルに「高校生」と付いていますが、高校生に限らず全ての人に読んでほしいです。

未来の自分から「『成功』の反対は?」という宿題を出されるシーンがあります。辞書を見れば必ず「失敗」と出てきますが、それは違います。成功の反対は「何もしない」こと。何も踏み出さなければ成功も失敗もないからです。さらに「『ありがとう』の反対は?」という宿題も出てきます。僕は「ごめんなさい」かなと思ったのですが全然違いました。この本には、この問いの答えのような意外性のある言葉もたくさん詰まっています。
[出版社のサイトへ]
<全国高等学校ビブリオバトル2016 全国大会の発表より>
こちらも 関くんおすすめ



『超訳百人一首 うた恋い。』
杉田圭(KADOKAWA)
古文などに興味がなくても、楽しく百人一首を学ぶことができます。今も千年以上昔の人も考えることは同じなんだなと思わせてくれます。
[出版社のサイトへ]
関くんmini interview

・ノンフィクション
・スポーツ

『誕生日を知らない女の子』(黒川祥子著)
この本は将来の夢とリンクしています。

『えんとつ町のプペル』(にしのあきひろ著)アメトークというTV番組で作者のにしのあきひろ氏が出演。批判されていたので、読みたくなりました。絵が印象的。繊細なタッチで細部まできれい。緻密な絵が凄くいいと思いました。

将来の夢に関する本