高校ビブリオバトル2016
ナンバーワンかつオンリーワンの、「魔法をかける人」になるためには
『これからの世界をつくる仲間たちへ』落合陽一
磯村明子さん(愛知・椙山女学園高校2年)

著者の落合陽一さんは、筑波大学図書館情報メディア系の先生で、メディアアーティストとしてもかなり有名です。ご存じない方はぜひググってみてください。
今コンピュータが急速に進歩しています。そのめまぐるしい発展の中で、私たち若者はコンピュータと戦い、また共存しながら生きていくことになります。落合さんは、人間は将来、コンピュータを道具として使いこなす「魔法をかける人」と、コンピュータに使われる「魔法をかけられる人」の2種類に分かれると言っています。そして、ほとんどの人は「魔法をかけられる人」になってしまうだろう、と。
例えばスマートフォン。コンピュータがたくさん入っていて、とても便利です。でも、スマホが何でできていて、どういう構造をしているのかはわかりません。つまり、私たちはスマホという魔法の板を持ち歩いていますが、その魔法の板をただ便利だ便利だと言っている人は、たぶん「魔法をかけられている人」なのです。私は「魔法をかける人」になりたいのです。そのためにはどうしたらいいのか。
私がこの本で感銘を受け、考え方や捉え方が変わったのは、勉強に対する姿勢です。高校生の中には、なぜ勉強しなければならないのか、こんなことを勉強して将来役立つのか、と悩んでいる人は多いと思います。私も多少そう思っていました。でも、勉強することは将来に向けてとても重要だと述べられている点で、先生方にもお勧めしたい本です。

著者も言っていますが、私は英語の勉強が特に大事だと思っています。私は海外に1か月ほど留学しましたが、英語がなくてはならないものだと痛感しました。研究者である落合さんが、研究発表に使うのは全て英語です。英語ができないからといって日本語を使ったとしても、海外の研究者は気にも止めてくれないでしょう。グローバル化が進む世の中で生きるためには、自分の伝えたいことを英語で伝える力は必要だと考えます。
この本には、そういった私たち若者が将来生きる上で必要なことが、たくさん書いてあります。そして『仲間たちへ』というタイトルの通り、若者に対する思いが詰まっています。
[出版社のサイトへ]
<全国高等学校ビブリオバトル2016 東海大会の発表より>
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磯村さん mini interview

島本理生さんの恋愛小説をよく読みますが、気になった本を手あたり次第読みます。有川浩さんも好きです。

中学1年生のとき、友達から「図書館戦争」シリーズを紹介してもらい、読むことにハマってしまいました。

『夜と霧』(ヴィクトール・E・フランクル )
強制収容されたユダヤ人の心情を知り、人間性について深く考えさせられました。

歴史小説をあまり読まないので、今後チャレンジしていきたいです。また、外国作家の本も積極的に読んでいきたいです。