先ゆく高校生のイチオシ本!

みんなのおススメ特集

全国高等学校ビブリオバトル2017から

突然「25年後の自分」になってしまったら。高校生の今だからこそ読みたい物語 

『スキップ』北村薫

渡邊夏蓮さん(駿台甲府高校[山梨] 2年) 

高校2年生、17歳の真理子が、ある日うたた寝から目覚めると、そこは知らない人の家。そしてその家の少女から「お母さん」と…。そう、25年後、42歳の自分になってしまっていたのです。…続きを読む

心のない「脳男」を通して、善と悪の境界を問いかけるミステリー 

『脳男』首藤瓜於

小松由妃さん(東京都立松原高校2年) 

生まれつき心を持たず、超人的な脳だけの存在である脳男が、爆弾犯のアジトに乗り込むところから物語はスタートします。爆弾犯には逃げられてしまい、脳男は警察につかまって精神鑑定を受けることになります。…続きを読む

怪しげな夜の市に迷い込んだ、記憶喪失の少年の運命は… 

『夜宵』柴村仁

岩村柚希さん(宮崎県立高鍋高校2年) 

ある湖に浮かぶゴーストタウンで、秋の終わりから大晦日にかけての夜の間だけ開かれる「細蟹の市」。この市では、不老不死の粉や謎めいた薬、はては生首と、ないものはないと言われるほど何でも売っています。…続きを読む

消したい後悔、会いたい人。ほんの少しだけ過去へ 

『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和

小菅雪月さん(神奈川県立横須賀大津高校2年) 

「とある町の、とある喫茶店の、とある座席には不思議な都市伝説があった。その席に座ると、コーヒーが冷めるまでの間だけ、望んだとおりの時間に移動ができるという」。これには、すごくめんどくさいルールがあります。…続きを読む

パラレルワールドが混乱させた二人の恋の行方 

『君を愛したひとりの僕へ』乙野四方字

畠 美沙希さん(長野県須坂高校2年) 

平行世界とは、ある世界から分岐してそれに並行して存在する世界。その分岐した世界は人の行動一つ一つによって決まるので、無限に増えていきます。この本では、平行世界の存在が証明され、また、意図的に平行世界を移動できる装置が開発されています。…続きを読む

「前向きに生きる」意味を、晴れ男と二人の神様が教えてくれる!  『雨の日も、晴れ男』水野敬也

鍵 慶和くん(西大和学園高校[奈良] 2年) 

子どもの神様である、幼いシュナとワンダーは、ある日、「運命の手帳」という人の運命を変えられる手帳を拾い、地球上にいる誰かを不幸にしてやろうと。ターゲットにされるのが、ごくごく普通の生活を送っているアレックスです。…続きを読む

タイトルにふさわしい、女同士のドロドロの戦いと後味の悪さ 

『暗黒女子』秋吉理香子

勝又紗姫さん(滋賀県立膳所高校1年) 

私の最近の趣味は、女の子同士のドロっドロの争いを外から観察することです。いきなりなんて恐ろしいことを…。そして見つけたのが本書。名門女子校で、白石いつみという最もカリスマ性があり美しく誰もが憧れる生徒が亡くなり…続きを読む

文豪たちの魅力が2ページで味わえる!100通りの作り方 

『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』神田桂一、菊池良 

池田朱莉さん(山形県立酒田東高校1年) 

太宰治であれば、『焼きそば失格』、江戸川乱歩であれば『二銭焼きそば』と、文豪たちの名作に合わせてパロディ。内容はすべて同じ。カップ焼きそばの蓋を開けて、お湯を入れて、5分間待って、お湯を捨てて、ソースを絡めて…続きを読む

失われていく自分の人格への恐怖と葛藤の果てに 

『変身』東野圭吾

辻本匠くん(京都府立向陽高校1年) 

成瀬純一という青年が、強盗事件に巻き込まれて頭に銃弾を浴び、右脳の一部を損傷するも、世界初の脳移植手術によって一命を取り留めます。この脳移植を行った後、主人公は変化をしていきます。…続きを読む

読んだら食べたくなる!肉を最高においしく楽しむ極意はこれだ!! 

『焼肉のすべて オトナのための永久保存版肉大全』田辺晋太郎

谷田部慧くん(栃木県立真岡高校2年) 

「極意1:焼肉は情報戦である」。 焼肉で一番大事なことは、それは焼き方、焼き加減です。どんなに高いお肉でも、間違った焼き方をすれば味は落ちるし、高いお金を払った価値のない、ただのお肉になってしまいます。…続きを読む

不老不死になったのに百年たったら自分の意思で死ねるか 

『百年法』山田宗樹

多田龍平くん(西宮市立西宮高校2年) 

『百年法』の世界では、体が老いなくなる手術を受けられるようになりました。若い人たちは、こぞってその手術を受けに行きます。しかし、あまりに人口が増えすぎて、食糧不足の危機に立たされてしまったのです。…続きを読む

感情を排した双子の文章が、戦争によって人が変わっていく恐ろしさを淡々と伝える 

『悪童日記』アゴタ・クリストフ

山田モナミさん(広島県立尾道北高校2年)

この小説には、戦争を題材とした多くの小説よりももっとダイレクトに心に伝わってくるものがあります。主人公の双子の少年は、戦禍を免れるために、国境に近い、祖母が暮らす町に疎開します。彼らの祖母は、乱暴で不潔でけちで…続きを読む

華やかな異世界のルールを知って、国賓気分を味わおう 

『もしも宮中晩餐会に招かれたら~至高のマナー学』渡辺誠

岡田耕太郎くん(六甲学院高校[兵庫] 2年) 

もし天皇陛下や総理大臣のような方から、お食事会に招かれてしまったら…。この本は、家の本棚にありました。僕も将来大きな人間になって、宮中晩餐会に招かれることがあるかもしれないしと、読み始めたわけです。これが読み物としてなかなか面白い。…続きを読む

明日が来る可能性は誰でも同じ。明日が来ない可能性もまた同じ 

『三日間の幸福』三秋縋

橋本雪音さん(埼玉県立松山女子高校2年) 

寿命がお金になるとしたら、皆さんは売りますか。この本は、大学生の主人公が「寿命を売れる」と噂のビルへ行くところから始まります。そして、主人公は、たった3か月だけを残してすべての寿命を売ってしまいます。…続きを読む

友情でも愛情でもなく、「君の膵臓をたべたい」としか言い表せない関係とは 

『君の膵臓をたべたい』住野よる

桑本草太くん(熊本県立玉名高校1年)

この物語の主人公は、とても根暗でひねくれた男です。ある時読んだ本は、膵臓の病気で余命宣告を受けた人の病気と共に生きる「共病」日記でした。この本の持ち主は、クラスメイトの、主人公とは正反対の人物、山内咲良…続きを読む

考える喜びをずっと味わえる「どこでもドア」を開けてみよう

『哲学的な何か、あと科学とか』飲茶

青木勝之くん(東海高校[愛知] 2年) 

哲学を全く知らない人でも、その面白さを味わうことができるように書かれた本です。タイトルには「科学」も入っています。僕はこの本を読むまで、科学と哲学は全く関係のない、別のものだと思っていました。でも、そうではなかったのです。…続きを読む

過去と未来をつなぐノート。未来の彼は過去の彼女を救えるのか  『八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。』天沢夏月

野村紳二くん(沖縄県立那覇西高校2年) 

主人公の成吾は、4年前に彼女を亡くしています。そして、見つけた彼女との交換日記。思わずそのノートに「なぜ死んでしまったんだ」などと溢れ出た感情を書いた翌日、そのノートには、彼女の字で「あなたは誰ですか?」と…続きを読む

あの未解決事件に幼い頃の自分が関わっていた?! 事件の「真相」とは  『罪の声』塩田武士

岡部佑紀くん(青森県立弘前高校1年) 

『罪の声』は、「グリコ・森永事件」を題材にしています。主人公は、ある日お父さんの遺品の中からカセットテープを見つけます。それが31年前に起きて、未解決のある事件の恐喝に使われた録音テープとまったく同じもの。それが自分の幼い頃の声であることに気付きます。 …続きを読む

不器用でも情けなくても意味がある!10代を軽快に駆けていく

『永遠の出口』森絵都

小林以呂羽さん(和歌山県立那賀高校2年) 

きっと誰もが、コレを言われると弱い!という、弱点になりうる言葉を持っていると思います。この本の主人公である紀子は、「永遠にできない」と言われると、狂おしい気持ちと焦燥感にかられてしまう女の子でした。…続きを読む

純情ヤクザが鉄砲玉に。ネット民は純平を止められるのか 

『純平、考え直せ』奥田英朗

小池健太くん(埼玉県立春日部高校1年) 

歌舞伎町の下っ端ヤクザ・純平は親分に呼び出され、「鉄砲玉をやらないか」と頼まれます。鉄砲玉というのは、敵の組のボスを暗殺し逮捕される代わりに、出所後に組内で一定の役職が与えられるもの。純平は鉄砲玉になれたのか…続きを読む

恋、ミステリー、ギャグ・・・フルコースで楽しめる恋愛小説 

『失恋覚悟のラウンドアバウト』浅倉秋成

得丸彪太郎くん(大分県立別府翔青高校1年) 

この本には物語が4つあります。1つ目は、告白された女の子。彼を振りたい。そして、相手も傷つけなくて自分も傷つかないためにどんな振り方があるか考えた結果、この子が言ったのが「私、魔法使いなの」。…続きを読む

3人の少年とお爺さんとの関わりから、「生死」とは何かを考える  『夏の庭 The Friends』湯本香樹実

種 香夏さん(国立米子工業高等専門学校[鳥取] 3年) 

死ぬのが怖いのは、死というものが何なのかがわからないからだと思います。小学6年生の3人の男の子たちは、ある時、「近所に死にかけのお爺さんがいる。そのお爺さんの家を観察して、お爺さんが死ぬのを俺たちの目で見届けてやろうぜ」と…続きを読む

校長先生も絶賛!50年前に書かれたSFの大傑作! 

『マイナス・ゼロ』広瀬正

堀内八衣乃さん(和歌山県立桐蔭高校2年) 

舞台は1945年の東京。空襲の最中、主人公の浜田少年が、隣の家に住む伊沢先生から謎の遺言を受け取ります。「18年後の今日、ここに来てほしい」。18年後、主人公は約束の日に約束の場所を訪れます。すると、そこに現れたのはタイムマシン。…続きを読む

勇気を持ってその一歩を踏み出せるか 

『チーズはどこへ消えた?』スペンサー・ジョンソン

下川詩乃さん(福井県立福井商業高校2年) 

皆さんは、広い迷路の中にいる一匹のネズミです。すると、どこからかいい匂いが…。大好きなチーズの匂いです。さて皆さんは、どんな行動を取るでしょうか。一見童話のようですが、内容はとても奥深いビジネス書です。…続きを読む

こだわりが強いパンダ、先頭を蹴落とすペンギン‥。動物から賢さを学ぼう 

『LIFE 人間が知らない生き方』麻生羽呂、篠原かをり

田端健浩くん(旭川実業高校[北海道] 3年) 

可愛いイラストを交えながら動物の習性について紹介していますが、ただの動物図鑑ではなく「自己啓発本」です。良い習性を生きる知恵として学び、悪い習性を反面教師として胸に刻むことで、動物たちから賢い生き方を学びます。…続きを読む

辛くても最後まで読んで。人間の心の闇に迫るせつないストーリー 

『いたいのいたいの、とんでゆけ』三秋縋

川井玲苑くん(福島県立郡山北工業高校3年) 

主人公の唯一の親友が、ある日突然自殺してしまい、主人公は悲しみのあまり飲酒運転をして、女の子を轢き殺してしまうのです。ところが、女の子が「私、死んじゃいましたよ。どうしてくれるんですか」と。…続きを読む

京都好き、コーヒー好き、ミステリー好きなあなたへ 

『珈琲店タレーランの事件簿』岡崎琢磨

鵜飼千聖さん(岐阜県立岐阜高校2年) 

京都の街角にある純喫茶「タレーラン」が舞台。理想の一杯を追い求めて京都のカフェを駆け回るコーヒー好きの青年が主人公です。理想の珈琲一杯を作ってくださるのが、美しいショートボブの女性、切間美星さん。…続きを読む

祖母のおにぎりが支えた、引きこもり青年の成長物語 

『生きるぼくら』原田マハ

木村勇太郎くん(熊本県立玉名高校1年) 

どうして手作りおにぎりはおいしいのか、長年疑問でしたが、この作品は、人との繋がりの大切さ、手作りおにぎりのおいしさの秘密を教えてくれます。主人公は、引きこもりの24歳の青年。母親も失踪し、途方に暮れた彼が頼ったのは祖母でした。…続きを読む

電車に乗っている全ての人に物語がある 

『阪急電車』有川浩

古谷涼風さん(秋田県立秋田南高校1年) 

最近「心がほっこりした」エピソードがないなあという方にも潤いをくれる一冊。電車に乗っている全ての人々には、壮大な物語があります。この本の良さを知れば、電車に乗った時に、ちらっと周りを盗み見してしまうでしょう。…続きを読む

自分は存在していいのか~少女は無償の愛に葛藤し、やがて救いを得る 

『i(アイ)』西加奈子

吉永和人くん(徳島県立脇町高校2年)

『i』は、「この世界にアイは存在しません」という言葉から始まります。数学の授業中に主人公が聞いたこの言葉は、複素数のi(アイ)、虚数単位のことだったのですが、主人公に衝撃を与え、彼女の胸にずっと居座り続けることに。…続きを読む

なぜ偽の家族になれば借金は消えるのか。ラスト7行に驚愕!

『鈴木ごっこ』木下半太

小嶺賢人くん(長崎南山高校2年)

巨額の借金を抱えている4人の赤の他人が、謎の男から世田谷の一等地に集められるところから始まります。この借金を返す条件として提示されたのが、「この1年間、誰にもばれずに鈴木家を演じる」というものでした。…続きを読む

「ひとりで悩まなくてもいいよ」とやさしく背中を押してくれる 

『かがみの孤城』辻村深月

徳永勇人くん(関西創価高校[大阪] 1年)

主人公は、中学1年生の女の子。不登校になり、部屋にずっと閉じこもって生活しているのですが、ある日、自分の部屋のかがみが輝いたのです。その光の先には別の世界が広がっていて、かがみの孤城という大きなお城が一つ建っていました。…続きを読む

オタクの主人公が漂着したのは、過去の村?未来の村?それとも… 

『太陽の村』朱川湊人

山本日和さん(島根県立津和野高校3年)

主人公は坂木龍馬という男、趣味は美少女フィギアとまんが集め、オンラインゲーム。そんな彼がいやいやついていったハワイへの家族旅行の飛行機で起きたアクシデントで、彼だけがフタタという不思議な村の浜辺に打ち上げられて…続きを読む

イヤミスの女王が描く結末の見えない物語は、どんな終わりを迎えるか 

物語のおわり』湊かなえ

山本京佑くん(三重県立伊勢高校3年) 

あるところに少女がいました。少女は、自分で物語を書き、婚約者の薦めもあって、出版社に自分の小説を送ります。その作品が一人の小説家の目に止まり、「きみ、私の弟子にならないか」と誘いを受けます。ところが…続きを読む

羽根が生えた転校生は天国から来た天使なのか 

『天使は奇跡を希(こいねが)う』七月隆文

若林隆さん(富山県立高岡工芸高校3年) 

普通クラスで天使と言えば、マドンナ的な存在の女子を想像する人もいると思います。でも、そうではないのです。「転校生を紹介する」と言われて入ってきた生徒に羽根が生えていて…続きを読む

自己増殖を始めた「横浜駅」から、人類を救い出すことはできるのか!? 

『横浜駅SF』柞刈湯葉

渕本麻菜美さん(群馬県立伊勢崎商業高校3年)

改築工事を繰り返す横浜駅が、植物のように自己増殖を始め、本州の99%が横浜駅に。この横浜駅は、海水が苦手なので、海を渡ることができません。シュールなギャグ小説かと思われるかもしれませんが、ちゃんとしたSFです。…続きを読む

人の気持ちが見えるのは、すてきなこと?

『か「」く「」し「」ご「」と「 』住野よる

積 風我くん(鹿児島県立大島高校1年)

『君の膵臓をたべたい』を書いた住野よるさんの4作目。男子2人、女子3人の個性豊かな5人は、全員がちょっとした「かくしごと」を持っています。それぞれが違った形で、人の気持ちを見ることができるんです。…続きを読む

人を感動させるスピーチに最も大切な一文字とは 

『本日は、お日柄もよく』原田マハ

丸岡翼くん(佐野日本大学高校[栃木県]2年) 

冒頭1ページ目にスピーチの極意10か条が書いてあり、小説ではありますが、私にとってはスピーチの指南書。主人公の二ノ宮こと葉の幼なじみの披露宴での、日本有数の牛丼チェーン店・吉原家の社長のスピーチから始まります。…続きを読む

「10歳の小さな哲学者」に教えられた新しい世界 

『見てる、知ってる、考えてる』中島芭旺

中村歩くん(東京都立国立高校3年)

哲学と聞くと、大人の書いた難しいものを想像して、身構えてしまうかもしれませんが、実はこの本、10歳の子どもが書いた本です。「小さなからだの哲学者」の書く言葉があまりに深いと、ネット上やテレビでも話題になった本です。…続きを読む

ディズニーランドは本当に「夢の国」? 裏方で働く青年の成長物語 

『ミッキーマウスの憂鬱』松岡圭祐

藤井春人くん(浜松市立高校2年) 

主人公は、派遣会社に勤める21歳の男、後藤大輔。彼はディズニーランドで働くことになります。後藤は、ディズニーランドで働くことに、大きな希望を持っていました。しかし実際に与えられたのは、裏方の仕事でした。…続きを読む

こんな本になら人生を狂わされてみたい! ライトな書評が新しい世界の扉を開く 

『人生を狂わす名著50』三宅香帆

近久 萌さん(岡山県立岡山南高校3年) 

「私にとって、読書とは戦いです」。三宅さんは、文字通り読書と戦っています。そして、人生の大きなターニングポイントではいつも読書に負けているのです。そんな三宅さんが、「この本を読んだら人生狂っちゃうよね」と選んだ本…続きを読む 

バッタに食べられたい!昆虫学者がバッタの群れに突撃 

『バッタを倒しにアフリカへ』前野ウルド浩太郎

有松沙姫さん(岡山県立岡山南高校3年) 

バッタをこよなく愛する前野さんは、アフリカのバッタ問題を解決すべく、単身、西アフリカのモーリタニアへ。ここに繁殖しているサバクトビバッタは、時には500キロもの群れを作って、辺りの草を全部食べ尽くしてしまう、恐ろしいバッタです。…続きを読む

100人の作家が紡ぐ、100通りの愛の言葉 

『I Love Youの訳し方』望月竜馬

野村月子さん(岡山県立岡山朝日高校2年)

夏目漱石が教員をしていた時のこと、教え子が「I Love You.」の和訳を聞くと、漱石は「日本人は、『愛している』などとは言わない。『月がきれいですね』とでも訳しておけ」と言ったそうです。…続きを読む

エリンの心意気と成長から勇気をもらった

『獣の奏者』上橋菜穂子

三宅萌未さん(岡山県立倉敷商業高校2年) 

私が心を打たれたその一つは、主人公エリンの真っすぐな心意気です。エリンは「闘蛇」と呼ばれる特別な動物の世話をする村の子どもなのですが、あるとき母親が、世話をしていた闘蛇を死なせてしまいます。…続きを読む

文章から豊富な山行経験が感じられる、登山愛好家のバイブル 

『日本百名山』深田久弥

K.Hくん(岡山県立岡山朝日高校2年) 

山の魅力に取りつかれた山岳部員の僕が紹介する『日本百名山』。古くから登山愛好家が意識していることの一つに、「百名山」があります。全国の100の名山のことです。最近は、百名山を全て踏破しながら、完全人力で日本列島を縦走するという試みもありました。…続きを読む

少女は自分の名前とどう向き合い、強くなっていくか 

『本屋さんのダイアナ』柚木麻子

A・Mさん(岡山県立高校2年) 

ダイアナは、母親と二人で暮らす女の子。母がキャバ嬢をしているため、夜一人で過ごす寂しい時間を読書に費やすようになります。髪の毛は、母に染められた金色。名前は、「大きい穴」と書いてダイアナと読ませるのです。…続きを読む

 

「ワガママ」に生きることの気持ちよさを知って

『イン・ザ・プール』奥田英朗

T.Rさん(静岡学園高校)

この本には、おかしな病に悩まされる変人ばかりが出てきます。変人たちの相手をする精神科医の伊良部は、目には目を、歯には歯を、そして変人にはさらなる変人を、というように、物語の中でも生粋の変人です。…続きを読む

このちょび髭のおじさんを、笑っていいのか、いけないのか 

『帰ってきたヒトラー』ティムール・ヴェルメシュ

酒井博紀くん(静岡・日本大学三島高校1年) 

80年前の人が現代にやって来たとします。その人はすごく異端で、しかしその人が何かを言えば、人々は熱狂するような人でした。ちょび髭を生やしていて、髪は七三に分けていて、ドイツ式敬礼を誇らしげにやっていた人です。…続きを読む

大食漢のカニと無気力な青年の奇妙な共生生活の果てに

『かにみそ』倉狩聡

山登夏葵くん(静岡県立伊東高校2年) 

ほのぼのとしたタイトルからは想像もできないでしょうが、本書はホラーです。しかも、第20回日本ホラー小説大賞の優秀賞受賞作品です。主人公は、無気力な青年とカニ。ただのカニではありません。特殊能力を持っているのです。…続きを読む

 

最後まで目が離せない、「天才」になった一人と一匹の物語 

『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス

甲斐悠雅くん(静岡県立浜名高校1年) 

もしあなたが、まわりから「ばか」「まぬけ」と言われ続け、笑いものにされていたら、そして、「ある手術を受ければ、天才になれる」と言われたとしたら。本書は、その手術を受けて天才となった一人の男性の物語です。…続きを読む

 

働きバチが生きた30日間のドラマ 

『風の中のマリア』百田尚樹

増田充希くん(静岡・藤枝明誠高校1年) 

主人公のマリアは、オオスズメバチの働きバチ。夏の始めごろから秋にかけては、夏を過ぎて食べ物が少なくなってくるので、ほかのオオスズメバチの巣を襲ったり、新しい女王バチを育てたり。いろいろなドラマがあるのです。…続きを読む

人間の価値はモテ・非モテで決まる? 

『ぼくは勉強ができない』山田詠美

黒川優里さん(静岡県立浜松城北工業高校2年) 

主人公の17歳の少年、時田秀美くんは女性にモテて、ちゃんと彼女がいます。うらやましい限りのリア充です。彼は「異性にモテるか・モテないか」で人の価値を決めるという、ちょっと変わった価値観を持っています。…続きを読む 

3000ページ、24万語の言葉の世界に出会う 

『広辞苑』新村出:編

大榎すばるさん(静岡・清水国際高校1年) 

「ビブリオバトルで紹介する本は、本なら何でもいい。それがたとえ辞書でも、電車の時刻表でも」。私が『広辞苑』を選んだのは、マイナーな言葉がたくさん載っているからです。…続きを読む