高校ビブリオバトル2018

理系アレルギーにこそ読んでほしい。身近な疑問を理系の思考で大解決

『日本人の9割が答えられない 理系の大疑問100 』

話題の達人倶楽部(青春文庫)

栗原忠喜くん(埼玉県立春日部高校2年)

物理、化学、地学、数学、生物。理系科目というのは、やはり苦手意識が出やすいものです。では、この理系科目、やらないままにしておくと、その先に待っているのはなんでしょうか。そうです、赤点が待っているんです。でも、それだけではありません。社会に出てからも、理系的な考え方は、様々な場面で要求されることがあると思います。

 

しかし、やりたくはない。では、どうすればやるようになるのか、楽しければ誰だって勉強するんです。では、どうすれば楽しくなるのか。楽しくなる本がここにあります! それが、『日本人の9割が答えられない理系の大疑問100』です。この本を読めば、理系が100パーセント好きになります。

 


この本は、ちまたにあふれているような雑学本とは一味違って、日常の疑問を理系的に考えてみようという内容です。その具体例を紹介したいと思います。

 

料理には「さしすせそ」という、料理の基本と言われるものがあります。砂糖、塩、酢、しょうゆ、みそ。この順番で調味料を入れると料理がおいしくなると言われています。この「さしすせそ」の順番の意味を、科学的に説明できないのかという疑問がわきませんか。ぜひ一緒に学びましょう。

 

砂糖と塩では、砂糖の方が分子が大きいので、先に分子の小さい塩を入れてしまうと、砂糖の入り込むスペースがなくなってしまいます。だから、先に砂糖を入れ、その後に塩を入れるのです。また、塩には引き締め効果があり、料理全体をぐっと引き締めて、余分な水分を出してくれるという効果もあります。だから、砂糖、塩の順番で入れるのです。

 

続いて、酢、しょうゆ、みそ。この三つの調味料は揮発性といって蒸発しやすい性質があります。香り付けをする場合、これら三つの調味料を前半に入れてしまうと何の意味もなくなってしまいます。だから、「さしすせそ」の順番で入れると料理がおいしくなる。というように、様々な事象を科学的に証明していくわけです。この本の特徴は、こういう感じで日常生活の疑問を、理系的に考えられるということです。

 

私は勉強をしていて、自分の日常と勉強が結び付く、この瞬間が一番楽しいと思うんです。その瞬間を、この本を読んでぜひ体感してほしいなと思います。「私は理系アレルギーだから、理系なんか手も付けたくない」という方に、さらに具体例を紹介したいと思います。

 

気になる体脂肪。最近では家庭で体重計に乗れば簡単に体脂肪率を測ることもできますが、あれはどのように測っているんでしょうか。 ……書いてあります。

 

雷。聞くだけで怖いですよね。雷がゴロゴロという音を立てて落ちますが、あのゴロゴロとなるのはなぜでしょうか。 ……書いてあります。

 

200年続くウナギ屋で200年継ぎ足して使われている秘伝のタレ。おいしいですよね。この200年間使われ続けている秘伝のタレは、どうして腐らないのでしょうか。……書いてあります。

 

ぜひこの本を読んで、自分の勉強と日常生活をつなげる瞬間を体感していただきたいと思います。

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<全国高等学校ビブリオバトル2018全国大会の発表より>

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東野圭吾さんの本が好きすぎて、小学校の図書室の東野圭吾さんの本を全て読みました。星新一さんのショートショートや、百田尚樹さんの『永遠のゼロ』も好きでした。 

今回紹介した『日本人の9割が答えられない理系の大疑問100』です。高校1年の頃に出会って、文系から理系に進路を変更しました。

 

『検察側の罪人』です。映画、小説ともに印象に残りました。映画では、酒向芳さん演じる松倉というキャラの迫力と奇妙な発言と行動が特に印象的でした。嵐の二宮さんの検察官の演じ方にも感銘を受けました。

 

お笑い芸人さんの本が読んでみたいです。人を笑わせるというのはどういうことなのか、笑いを極めるということでがどれだけ難しいことなのか「漫才」の深さを学びたいです。