高校ビブリオバトル2018
最強の警備を誇るNASAから月の石を盗んだ男からの小さなメッセージとは?
『月を盗んだ男 NASA史上最大の盗難事件』
ベン・メズリック 高山祥子:訳(東京創元社)
成田慶之くん(青森県立弘前高校1年)
私が一番好きな映画は、『怪盗グルーの月泥棒』という映画です。この映画は、あの可愛らしいイメージのあるミニオンと、主人公のグルーが一緒に月を盗むというストーリーです。ある日、私が図書室で本を探している時に、この映画に似たとても面白い本を見つけました。それが『月を盗んだ男 NASA史上最大の盗難事件』です。
この本の主人公のサドは、人類で初めて火星に立つという大きな夢を持ってNASAの試験を受けます。そして彼は見事に合格して、NASAの施設の中でとても刺激的な生活を送ります。しかしそんなある日、彼はたった一つの出来事から月の石を盗んでしまうのです。果たして彼はどうなってしまうのか。この本で注目して欲しいポイントは、五つあります。
まず一つ目です。彼はなぜ月の石を盗んだのか。月の石はアメリカでは国宝級の価値があり、盗むと大きな罪が課せられます。なのになぜ彼は、それほどの危険を犯してまで月の石を盗んだのか。
二つ目は、どのようにして月の石を盗んだのかということです。考えてみてください、あのNASAですよ!! もし彼にあの映画『ミッション:インポッシブル』のようなハイテクな装備があれば、簡単に盗めたかもしれません。しかし彼にそんな装備は一つもありません。しかし、彼は盗んでしまうのです。果たして、どうやって?
三つ目のポイントは、彼が月の石を盗み、NASAの施設を脱出するときにあります。彼が脱出するときに待ち受けていたのは、とても大きな「壁」でした。それは、監視カメラでもなく、警備員でもなく、なんと道路だったのです。なぜ道路が彼を苦しめたのか。それは、その道路は皆さんが見たことも聞いたこともないような、ありえない道路だったからなのです。いったいどんな道路だったのでしょう。
四つ目。彼は無事にその道路を抜け、NASAの施設を脱出します。そして、ここからあのFBIと彼との壮絶な戦いが始まると思いきや、なんとこの後一瞬にして捕まってしまうのです。なぜこれほど細かい計画を立てることができた彼が、なぜ一瞬で捕まってしまったのか。そこには、彼のたった一つの、しかし大きなミスがありました。果たしてそのミスとは何だったのか。

最後のポイント、五つ目です。この本のところどころには、様々な小さなメッセージがあります。私は、その意味が最初はよくわかりませんでした。しかし読み進めていくうちに、その意味がわかりました。それは、大きな罪を犯した彼からは考えられないような、ある人へのとても温かい思いでした。果たしてそのメッセージとは…。
最後になりますが、この本はノンフィクションです。
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<全国高等学校ビブリオバトル2018全国大会の発表より>
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