高校ビブリオバトル2019
男女の脳はこんなに違う !~妻を怒らせないツボとは?
『妻のトリセツ』
黒川伊保子(講談社+α新書)
横井俊哉くん(香川県立高松商業高校1年)
今日紹介したい本はうちの両親のことかと思ってしまった本です。1ページ目を少しだけ紹介します。
「『妻が怖いという夫が増えている』。夫側から申し立てた離婚の動機として注目されているのが、妻からの精神的虐待。精神的虐待というと大げさな気がするが、具体的にはいつもイライラしている。口調がきつい。いきなり切れる。急に怒り出す。何をしても怒られる。口を利かない。無視する。夫の分だけ家事をしない。人格を否定するような言葉をぶつけてくる。といった妻の言動」と書かれています。
今これらに共感できるなあと思った方は、手を挙げていただけますか。皆さんに紹介したい本、特に手を挙げてくださった方に紹介したいのが、脳科学AI研究者、黒川伊保子さんが書いたこの『妻のトリセツ』という本です。もちろん私には妻もいません。結婚されていない方でも、恋人や身近にいる女性に置きかえて、考えたり想像したりしてくださいね。この本の内容は、男性の脳と女性の脳の造りは全く違い、そのせいで2人の関係がうまくいかないといったものです。
例えば、皆さんはこんなときどうしますか? あなたに妻、そして生まれたばかりの子ども、名前は太郎君がいるとします。仕事が忙しく、残業して家に帰宅するなり奥さんに、「太郎が寝かせると泣くからずっと抱っこしていてめちゃくちゃ腰が痛くなった」と訴えられたとします。さあ、そのときなんと答えるのが正解なのでしょうか。少し考えてみてください。
それでは自分の意見がAとBのどちらにより近いか、挙手をお願いいたします。
A.抱き癖がついたんじゃない? ちょっと抱っこするのを辞めてみたらどう?
B.腰が痛いんだったら、明日病院に行ってお医者さんに見てもらいなよ。
それでは挙手タイムです。Aだと思う方? Bだと思う方? ハーフアンドハーフですね。それでは回答です。実はどちらも不正解なのです。Aの抱き癖がついたんじゃない? の方には、抱っこをしないようにする「解決策」を提案していることに、Bの「明日お医者さんに行ったらどう?」は腰の痛みへの解決策を提案していることに問題があるのです。
奥さんが求めていた本当の答えというのは、「1日中抱っこしとったん。それは腰やって痛くなるよね。ホンマに1日中ごくろうさま。ありがとう」なのです。こんなこと、男性は思いもしませんよね。妻の望む夫の対応と、夫が対応する解決策が根本からずれているのです。これが女性悩というもの。現実はこんなもんです。
男性の方へ。とにかく女性の意見に共感してあげてください。もっと言うと、「うんうん、わかるわかる。それな、それな」と大げさに相づちを打つ、女友達のように接することでよい関係が築けていくことでしょう。これはほんの一例です。この本には男性にとってはたくさん理不尽なことが書かれていますが、この本を読めば必ず何か気付きに出会えるはずでしょう。

ここまで、うどん県の田舎の16歳が偉そうに語らせていただきましたが、この本を読めば女性が喜ぶツボ、逆に切れるツボがどこにあるのかがわかるし、本当に笑いながら読める本です。私の家族も大爆笑でした。ぜひ読んでみてください。
最後に女性の方に朗報です。実は『夫のトリセツ』という本が出ました。これで少しは、男性の気持ちも分かってくれるのではないでしょうか。ぜひ本屋に立ち寄って手に取ってみてはいかがでしょうか。
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<全国高等学校ビブリオバトル2019全国大会の発表より>
横井くんmini interview

好きなジャンルは自己啓発本です。成功された方は必ず失敗をしています。その失敗を乗り越える力や考え方を教えてもらっています。特別に好きな作家はいなくて、頑張っている人が大好きで尊敬しています。

マーガレット・ワイルド作『さよならをいえるまで』です。この本はハリーという男の子と一番の友達ジャンピーという愛犬との話です。当時、私も犬を飼っていて、病気で死にました。まだ8歳だった私は普通に命が二つあったらいいのになぁと思いました。なぜ命はひとつしかないのか、「命がひとつしかないのは、勉強したり、遊んだり、今しかできないことを今、一生懸命やりとげるためだよ」と母に言われたことを思い出しました。

『葬式ごっこ』という本です。この本は1986年盛岡市でひとりの少年が自殺した本でした。原因はいじめです。いじめる子、いじめられる子をなくしたい。純粋に教師になって、いじめをなくしたいと考えさせられた難しい本でした。

映画『ボヘミアン・ラプソディー』です。フレディ・マーキュリー率いる「Queen」がライブ・エイドで演奏する姿に思わず涙しました。

ビブリオバトル全国大会に参加させていただいて、すごく興味を持ったジャンルはミステリーでした。今まで小説等を読むのはあまり好きではありませんでした。しかし、今回のビブリオバトルで、ミステリーがとても気になり、ワクワクしています。決勝で紹介していた『罪の声』『府中三億円事件を計画・実行したのは私です。』をまず読みたいと思います。