大学生が薦める、高校時代に読んでおきたい本
~大学の授業と本を紹介
井上裕太さん(神戸大学経営学部経営学科会計学分野 4回生)
※学部・学年は2018年3月現在
高校時代に読んでおきたい本

『釜ヶ崎』
中牟田雅央(忘羊社)
大阪にある日雇い労働者のまち・あいりん地区(通称:釜ヶ崎)の写真集です。皆さんは夢を持って大学という場に向かうことになると思います。しかし、その大学という場の中でたこつぼになってしまってはいけないと考えています。日本という狭い世界の中にも、いろいろな人たちがいることを想像しながら生きていくために、この街や住んでいる人々の様子を生々しく切り取った写真集は、大学では出会わないだろうものに触れるという意味・大学で学ぶという意味を考えるためにはおすすめです。
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進路について話そう
■進路に影響を与えた本・できごと
『女子大生会計士の事件簿』です。企業が作った嘘の数字に対して対決していく会計士の姿を見て、会計というものに興味を持ちました。また、高校2年生のとき「全国高校生金融経済クイズ選手権」という大会で全国優勝をして、株式市場というものに興味を持ちました。

■進路を決めるにあたって、とった行動
私は最初中央大学にいたのですが、現在の指導教官に教えてもらうために神戸大学に編入学をしました。とにかく論文を読んで何がしたいかを考え、現状を打破するために何ができるかを調べつくしました。
■進路や大学を決める際に、大事だと思うこと
1.まずは世界を広く見ることを心がけてください。勉強したいことは後でいくらでもリカバリができますが、得られる友人や環境は大学に左右されます。
2.大学に入ってからやりたいことを見つけるために・見つけた後実行するために、高校時代は何か一つに死ぬほど打ち込む経験をしましょう。勉強でも部活でもゲームでも構いません。それが基礎体力になって、広い世界で見つけた「したいこと」ができるようになっているはずです。
■会計、経営分野に進みたいなら高校時代に読んでおきたい本

大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ

■財務会計(3回生 4クォータ(2回生から受講可能))(※神戸大学)
財務会計の役立ち、作られ方について学びます。企業の成績表がどう作られ、使われるかがわかります。
一つの成績表を作るとき、いろいろな方法があり、経営者がその方法を選択していきながらさも真実は1つであるように振る舞っていることが面白いと考えました。これが行き過ぎると不正会計になってしまいます。また、日米欧での考え方の違いで、同じ会社でも出てくる数字が大きく変わることも面白かったです。
■基礎数学(1回通年)(※中央大学)
数学Ⅲレベルの微分積分学を中心に、経済学・商学で扱う基礎的な数学について勉強をしました。
「無限を数える」という教員の最初の講義がインプレッションとして強く受けています。数学とは問題を解くものだと思っていたので、徹底的に論理について考えさせられるのは極めてカルチャーショックでした。また、数学的な考え方を持って、文系と思われる経済学や商学の勉強に応用できる点で、もっと高校の時数学をやっておけばよかったと思いました。