大学生が薦める、高校時代に読んでおきたい本

~大学の授業と本を紹介

後河内清花さん(慶應義塾大学 文学部 人文社会学科 教育学専攻2年)

高校時代に読んでおきたい本

『火の鳥』

手塚治虫(朝日コミックス)

手塚治虫さんは医学生時代を過ごしたのち、漫画家になられた方です。その医学の知識も漫画につぎ込みながら、いのちや倫理といったテーマを描き出してこられました。小学生の頃は、その恐ろしげな雰囲気と哲学的な難しさに本を置いてしまいましたが、高校生になってもう一度読んだ時の感動は忘れられません。『火の鳥』のほかに、『ブラック・ジャック』なども私のお気に入りです。人間という存在に興味がわく一冊です。

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進路について話そう

■進路に影響を与えたメディア

 

Eテレの『ピタゴラスイッチ』など子ども向けの教育番組やアニメ・映画が今でも好きで、「どうしてここでその言葉を使ったのか」、「どういう意図でこの場面は作られたのか」、「これを見て子どもにどのような変化があるのか」など、深読みすればするほど楽しいです。

 

大学に入る前の高校時代にやっておくとよいと思うこと

 

大学はこれまでの勉強とは全く異なり、ネットで検索しても出てこないぐらい深いところまで、ある学問を学ぶということも多くなると思います。ですから高校生のうちから、ある程度は自分の進みたい方向を考えつつ、自分が見たもの・聞いたものの中で心惹かれたものには少しでもアプローチをかけていくといいと思います。そこで芽生えた自分の価値観や新たな知識は、大学生活で必ず役に立ちます。また、部活動などに取り組んでいる人は、ぜひ熱中して打ち込んでください!

 

■さらに高校時代に読んでおきたい本

『エミール』

ルソー 今野一雄:訳(岩波文庫)

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『メディア・オーディエンスの社会心理学』

李光鎬、渋谷明子:編著(新曜社)

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大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ

■教育学特殊「近代における読書と教育」

(2年前期)

 

「読書」「読むこと」を中心に据えて近代教育を考えていく授業。教育と媒体の関りを考察していきます。近代の日本の学校で実際に配られていた学校だよりや、少年少女向けの雑誌、新聞、児童文学などの豊富な資料を先生が丁寧に解説してくれるので、とても興味深いです。

 

■現代芸術2年前期・後期)

 

音楽プロデューサーの草分け的存在である牧村憲一さんと、サザンオールスターズの楽曲のプロデュースなどで知られる藤井丈司さんが、貴重な音楽・音声・映像の資料を用いながら、1960年代をはじめとする日本の音楽の変遷を解説してくれます。

 

講師のお二人が対談するように話をしてくださったり、ジョークや深イイことを言ってくれたり、面白い空間です。たまにギターを弾いたり、歌ったりもしてくれます。映像資料もかなりレアです。ものづくりが好き・将来したいという方におすすめです。