大学生が薦める、高校時代に読んでおきたい本

~大学の授業と本を紹介

キャニー・シャミールさん キングス・カレッジ・ロンドン大学 (Kings College London University) ビジネススクール ビジネスマネジメント (Business Management BSc)

高校時代に読んでおきたい本

『Factfulness : Ten reasons why we’re wrong』

Hans Rosling (Flatiron Books)

この本はイギリスに留学してから読んだ本ですが、高校生の時に読んでおけば良かったなぁと思っています。著者はTED talkの講演でも有名なスウェーデンの学者で、人口増加や資源、貧困といった社会問題を、国際機関からの統計をアニメーションや図解で表すことでわかりやすく伝えています。この本でも、貧困をテーマに、私たちが想像する世の中と世界の実態の差について検証しています。また、「人間は世の中をネガティブに捉えてしまう本能的なバイアスがある」という仮説の元、それがどのような本能なのか、認知科学的なアプローチから解説していて、読んでいて面白かったです。読みやすいのはもちろん、様々な情報に対して疑いを持たずに学んでいた高校生の頃の自分にはピッタリな本だと思いました。

[amazonへ]

 


進路について話そう

■海外の大学で学ぶことを決めるきっかけ

 

初めて海外の大学に目を向けるようになったきっかけは、中学1年生の時に学校の先生に海外進学を勧められたことです。中学1年生の初めての授業を終えた放課後に、学校の英語科の先生に呼ばれて「お前は〜大学に行くんや!」って言われたことです(笑)。まだ、名前も知らない先生に、学校初日に海外の大学を勧められ、不信感を抱きながらもどこかウキウキした気持ちが芽生えたのを覚えています。それ以降、高校3年生の夏まで、自分の進路選択について全く考えなかったものの、海外の大学の憧れはいつも頭の隅にあったと思います。

 

■進路を決めるに当たって、あなたがとった行動

 

私の場合、日本の大学と併願をし、海外の大学の受験対策は高校3年生の冬(Personal statementのみ、英語の資格試験は高校2年生より)から初めました。受験そのもの以外にも、キャンパスライフや生活事情、授業内容についてより詳しく知るために、留学説明会などのイベントに参加することもあれば、自分が志望した大学の先生や在籍している生徒(私の場合は高校の先輩)とたくさん話しました。

 

■進路や大学を決める際に、大事だと思うこと

 

進路について悩む中で、最後の決め手になるモノサシは人それぞれだと思います。大学の環境(施設設備・ロケーション)が一番の決め手になる人もいれば、留学費用や奨学金制度などのお金に関することを重視する人もいます。また、複数の基準を持つ人もいると思います。その際に大事なのは、焦らずに自分と真剣に向き合うことだと思います。

 

大学卒業後の将来像や自分が興味あることについてたくさん考え、行動してみて、色んな選択肢の中で自分が進みたい進路を選んでください。もちろん、「時間をかけて考えてみたけど、結局進路がわからん!」って思う人もいるかもしれませんが、大切なのはどれだけ自分と向き合うかと思います。「自分の選択は間違ってない」って思えるためにも、様々な可能性を考え、アクティブになりながら、進路選択をした方がいいと思います。自分のことばかり考えるのは少しわがままなように感じるかもしれませんが、それでいいんです。

 

■さらに高校時代に読んでおきたい本

 

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』

佐藤航陽(幻冬舎)

[amazonへ]

 

 『Capitalism: A very Short Introduction』

Fulcher, James(Oxford Univ Pr)

[amazonへ]

 


大学の授業を紹介! 面白いと思った授業はこれだ

■行動組織学(一年間(9月下旬〜翌年の6月上旬まで))

 

授業構成は週にレクチャー(大人数の講義)2時間+チュートリアル(少人数制の授業)1時間あります。

 

行動組織学は個人や団体が組織内でどのように機能し、どのように相互に作用し合うのか研究し学ぶ学問です。心理学や社会科学の観点から、過去から現代までの組織形態について、また就業者の価値・態度・文化・行動など、効果的な経営について学びます。

 

 過去に何度かいくつかの組織でマネジャー(管理職)を担当したことがあり、とても苦い経験をしました。その時に、どんなプロジェクトやビジネスにも組織形成の大切さを痛感し、それ以降どのようにしたら人材を効果的に生かせるのか、組織文化の形成について興味を持ったため、この授業を受講しています。講義が始まってまだ数回の授業しか受講していませんが、すでにたくさんのことを学ぶことができています。最近では、特定の職業について考察し、どのようにモチベーションを向上することができるのかグループワークが渡され、私のグループでは刑務所職員のモチベーション向上、より効率の良い職場環境について調べています。なかなか面白いです。