ふくろう先生の新書探検隊

第1回 貧困・格差を考えよう

最初に考えてみたいのは、格差・貧困の問題です。

 

貧困や格差社会といった問題がよく新聞にも取り上げられています。今も地球上の約1割(8億人)は1日150円以下の収入で、貧困に苦しんでいると言われます。日本では、若者の非正規雇用や貧困老人のことがよく話題にのぼります。そして、そうした問題に実際取り組み、いろいろな活動をする方々のお陰で、少しずつは改善されています。

 

今回、そんな改善に向けての努力をされておられる方々の本を紹介します。(所属は出版当時。現在の所属も記しておきます)

 

なお、このテーマを解明・解決しようとしているのは、主に社会学科などで研究されている社会学や社会福祉学科などで研究されている社会福祉学になります。また政治学科などで研究されている政治学や行政学、経済学部などで研究されている公共経済学なども関係します。

 

『現代の貧困 ワーキングプア/ホームレス/生活保護』

岩田正美(ちくま新書)

著者は、日本女子大学教授(現在は、日本女子大学名誉教授)で、専門分野は社会福祉学、テーマは貧困・社会的排除と福祉政策です。

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 『弱者の居場所がない社会 貧困・格差と社会的包摂』

阿部彩(講談社現代新書)

著者は、国立社会保障・人口問題研究所、社会保障応用分析研究部長(現在は、首都大学東京都市教養学部教授)で、専門分野は社会福祉学/財政・公共経済、テーマは貧困・社会的排除、公的扶助論、社会保障論です。

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『弱者99%社会 日本復興のための生活保障』

宮本太郎:編(幻冬舎新書)

編者は、北海道大学大学院教授(現在は、中央大学法学部教授)で、専門は政治学。政府の「安心社会実現会議」委員で「社会保障改革に関する有識者検討会」の座長を務めました。本書は、2010年から2011年の6回にわたるBSフジの報道番組「プライムニュース」のシリーズ企画「提言“安心社会・日本”への道」での議論をもとに書かれました。

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 『「助けて」と言える国へ 人と社会をつなぐ』

奥田知志、茂木健一郎(集英社新書)

奥田知志:日本バプテスト連盟・東八幡キリスト教会牧師、NPO法人「北九州ホームレス支援機構」(名称変更。現在は、NPO法人「抱樸」)理事長。支援活動を行っています。

茂木健一郎:専門は脳科学・認知科学。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、脳と心の謎に挑む脳科学者で、テレビ出演も多数。

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『貧困についてとことん考えてみた』

湯浅誠、茂木健一郎(NHK出版新書)

湯浅誠:社会活動家、「反貧困ネットワーク」事務局長、NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」理事(現在は、法政大学現代福祉学部教授。専門は社会福祉学)、2008年末「年越し派遣村」の報道で知られます。茂木健一郎:同上。

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