ふくろう先生の新書探検隊
第2回 地球温暖化問題に挑もう
近年、ゲリラ豪雨や季節外れの台風などが大きな被害をもたらしています。多分、多くの方は、年々気象が異常になって、竜巻や台風、大雨の被害がこれからもますます大きくなっていきそうだと、恐ろしく思っておられることでしょう。「測定が始まって以来初めての・・・」とよく報道されます。その異常気象の原因として、温暖化が取り上げられています。今回は、その異常気象と地球温暖化のことについて書かれた数冊の新書を紹介します。
地球温暖化の原因が、二酸化炭素の排出にあるとする説と、それに異を唱える説があります。紹介する3冊のうち、2冊が二酸化炭素悪人説、1冊はそれに反対しています。そこにも着目して読んでみてください。
(所属は出版当時。現在の所属も記しておきます)
なお、このテーマは、様々な学問分野で解明・解決が取り組まれています。気候変化や気温上昇に関する研究は、気候学、気象学、大気物理、海洋力学など地球物理学の領域であり、理学部で研究されます。温暖化の具体的な影響については、海洋や河川、都市生活への影響は工学部土木系から、農作物への影響は農学部から、動植物の生態への影響については理学部からと、様々な学問が取り組んでいます。温暖化抑制の技術、エネルギー関連の技術に関しては、主に工学系学部で研究されています。地球温暖化は、人間の社会・経済活動にともなうエネルギー消費が発端であり、エネルギー消費を抑えれば経済成長が止まると言われています。そのため、経済学部など社会科学系からも、温暖化抑制の政策作りに挑んでいます。


深井有(中公新書)
産業技術研究所、東京大学生産技術研究所客員研究員等(現在は、中央大学名誉教授)で、金属物理学とくに金属―水素系の物性と材料科学が専門です。

鬼頭昭雄(岩波新書)
筑波大学生命環境系主幹研究員で、気象学が専門です。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第一作業部会第二次~第五次評価報告書の執筆者を務めました。