ふくろう先生の新書探検隊

第4回 今の世界は資本主義による市場に支えられている?〜経済学に学ぼう

<その2>貨幣って何だろう

混迷を深める現代の世界を理解するには、経済学が不可欠です。そこで、経済についての新書を数多く取り上げることにしました。経済学とは何かを勉強するために、既に基礎的な本をいくつか紹介しました。(→基礎的な本はこちら

 

そして現代の経済を動かしている資本主義社会については、その資本主義の「資本」と関係が深い、貨幣のことから始めるのが良さそうですね。そこで、貨幣の起こりや貨幣の特徴を解説した新書を紹介します。

 

◆ふくろう先生から皆さんへ

~考えながら、読んでみよう!

 

・貨幣の持つ本性はどんなものなのか?

・金融商品は交換価値を持つのか?

・近未来の貨幣、お金はどうなっているだろうか?

 

ふくろう先生ならこう考える 

『金融史の真実 資本システムの一〇〇〇年』

倉都康行(ちくま新書)

RPテック代表取締役、産業ファンド投資法人執行役員、マネタリー・アフェアーズ誌編集人で、東京銀行入行して資本市場業務に従事していました。

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『「お金」って、何だろう? 僕らはいつまで「円」を使い続けるのか?』

山形浩生、岡田斗司夫 FREEex(光文社新書)

山形浩正氏;大手シンクタンク会社勤務で、科学、文化、経済からコンピュータまで広範な分野の翻訳、執筆を行っています。岡田斗司夫氏;アニメ会社ガイナックスを設立。評価経済社会の実施を試みる団体FREEexを運営しています。

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『貨幣という謎 金と日銀券とビットコイン』

西部忠(NHK出版新書)

北海道大学経済学部教授で、専門は進化経済学、貨幣論、地域通貨です。

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◆ふくろう先生は「こう考えた!」

貨幣は独自の交換価値のお陰で特別の地位を得たため金利が生まれ、お金(資本)の自己増殖能に繋がったと考えます。このことは、本の中に記載されています。だから皆さんも答えに辿り着けるでしょう。

 

一方、金融商品はむしろ詐欺に相当するとも見なせるかもしれません。経済と貨幣・金融を勉強したら、ひょっとして疑いを抱いて真実の姿を見つけ出してくれるかもしれないと期待して、皆さんに問いました。今のところ、実際の世界では金融が幅を利かせており、世間では疑われていないのですが。

 

さらに未来の貨幣をゲゼルのいうような減価する貨幣や地域通貨に変えていくべきだろうと考えています。この辺りのアイデアは、本の中でも提案されています。いくつかの地域通貨の例も挙げられています。そして、対応しそうなモノにビットコインも考えていましたが、投機対象になってしまった最近のビットコインは、むしろある意味金融商品と同様な位置づけになってしまいそうに憂えます。